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グループ紹介(住宅新聞掲載)

エコットハウス×エスエーデザインオフィス

北海道住宅新聞 2024.02.05 掲載

暮らしに安心感与えるL型の平屋

広い敷地を活かし、中庭をL型の平屋で囲むことによって、太陽の光を効率良く受け止めるとともに、室内のどこにいてもガーデニングや菜園を楽しむ家族の様子がわかる安心感を提供―。今回紹介する空知・南幌町の『みどり野ゼロカーボンヴィレッジ』基本プランは、南幌町の自然環境に溶け込んだ美しくシンプルなL型の平屋が印象的なエコットハウス(株)松浦建設(札幌市、松浦邦充社長)と(株)エスエーデザインオフィス一級建築士事務所(札幌市、小倉寛征代表)の『緑と太陽とともに暮らす、南幌の曲がり家』。

自然豊かな敷地の中で、中庭を守るようにL型の平屋を配置

南幌で暮らしたい若い世代に良質な住まいを

「一番最初に松浦社長と話したのは、南幌町で頑張って家を建てて暮らしたいと考えている若い世代に、リーズナブルで性能が良く、美しい住まいを提供しようということ。平屋で周囲の自然に馴染み、できるだけローテクかつ汎用性の高い技術で提案しようということも話し合って決めた」。こう語るのは、エスエーデザインオフィス一級建築士事務所の小倉代表。
両社はこれまでにも南幌町で2軒の住宅を一緒に建てており、今回もグループを組んで参加することは自然な流れだったという。松浦社長は「美しくスッキリと見せるディテールなどエスエーデザインさんの設計力と、新築で平均0.22~0.23のUA値を達成している当社の技術力など、お互いの得意分野を活かしてゼロカーボンヴィレッジにふさわしいモデルプランを提案できればと考えた」と話す。
プラン作成は、ゼロカーボンヴィレッジのコンセプトを踏まえつつ、1メートル断熱(外壁・基礎・天井の断熱厚の合計がグラスウール換算で1E)や、パッシブ換気・床下暖房システムなどエコットハウスの技術力を活かす方向でエスエーデザインオフィス一級建築士事務所が考えた案をエコットハウスに提示し、最終的な基本プランを確定。その基本プランは、広い敷地内にある中庭を囲むようにL型の平屋を配置している点が大きな特徴となっている。
L型の平屋=“曲がり家”としたのは、①壁面に設置する太陽光発電パネルを、電力需要の多い時間帯に効率良く発電できるよう、南東・南西に分割して設置②冬季に北からの強い風雪を東西に逃がして、テラスと中庭を守る③室内のどこからでも中庭にいる家族の様子がわかりやすく、安心感が得られる―といったメリットを考えてのこと。「L型の平屋は“なるほど”と思った。この建物配置によって生まれる中庭は、開放的でありながらプライバシーも確保しやすい」(松浦社長)。平屋とすることで壁面設置の太陽光発電パネルや外装材等の維持管理も楽になる。

(Ⓐ塩ビシート防水による無落雪屋根 Ⓑ建物から独立した壁面太陽光パネル Ⓒパッシブ換気システム(換気扇併用) Ⓓ分散配置の小窓 Ⓔ床下暖房方式 Ⓕガルバリウム鋼板(SGL鋼板)の外装 Ⓖ深い軒下と道産木材による板張り外壁)

中庭を安心感ある“守られた領域”に

構造は在来木造、延床面積は約116㎡で、中庭に面する外壁は道産材の木板張りで仕上げ、長い庇の下には建物に沿ってL字型に連続する27Eのテラスが設けられている。テラスはアウトドア用品・ガーデニング用品などの置き場所や、エアコン室外機の設置場所などを想定。メンテナンスしやすいよう構造体から切り離して独立させた太陽光発電パネルや木製ルーバーを配置することによって、外観のデザインを損ねることなく住まい手のプライバシーを守り、日射も遮へいできるように配慮されている。
一方、敷地の外側に面する外壁は、北からの強い風雪にさらされることから、耐久性・耐候性に優れるガルバリウム鋼板(SGL鋼板)仕上げとした。屋根も高耐久な塩ビシート防水によって維持管理負担を軽減している。
また、中庭の一角にはバーベキューやガーデニング・菜園など屋外作業の休憩所としても適した屋外物置が計画されているが、この屋外物置が中庭を“守られた領域”として感じてもらうための役割を果たしている。「建物の直角部分の対極となる位置に屋外物置を配置したのは、守られていると感じる領域を作りたかったから。この屋外物置があることで、広い中庭に適度な“守られ感”が得られ、子供が遊んでいても安心して見ていることができる」(小倉代表)。

建物の配置と間取り。建物直角部の対極に屋外物置を配置することで、中庭に“守られ感”を作り出している

広さと可変性を兼ね備えた2LDK

間取りは2LDKで、LDKは24帖の広さで奥行き感があり、2つある洋室のうち1つは家族構成に応じて2部屋に分割可能。リビング収納やパントリーなど収納スペースも十分確保されている。小窓を分散配置することによって効果的に通風が行えるようにしているのもポイントの一つ。太陽光発電以外の設備は、暖房・給湯熱源にガスボイラー(エコジョーズ)を採用し、パッシブ換気(換気扇併用)・床下暖房システムで室内環境を快適に保つ。
なお、北方型住宅ZEROの適合要件となる脱炭素化対策のポイント数(P)は、UA値0.28以下の断熱性能や2kW以上の壁面太陽光発電、パッシブ換気の採用などによって、合計20ポイントを目指すという。概算工事費は約3700万円。
オーナーの決定はこれからだが、松浦社長は「暮らしやすさとともにパッシブ換気ならではの心地よい空気環境を体感できるのが、このプランの大きな魅力。実際に住んでみてはじめてその良さがわかると思うが、このプランを見て少しでも両社の設計力・技術力を感じ取ってもらえれば」と話しており、小倉代表は「南幌での暮らし方について提案したプランだが、変更や追加も容易にできるベーシックなものとなっているので、ぜひこのプランを元にライフスタイルに合った住まいと暮らし方を一緒に話し合えるお客様と出会いたい」と語っている。

模型を手に取りプランのポイントを語る小倉代表(左)と松浦社長(右)

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